TFTおぼえがき に
TFTというゲームは、基本的に決め打ちしないほうが良い。
決め打ちというのはこの場合、
「今回はこの構成・シナジーを目指そうかな」
と開幕から決めてしまうことを指している。
何故かというと、思い通りにいかなかったときに壊滅的になるからである。
しかし記事や動画などを調べてみると、
「この構成が強い!」
みたいな触れ込みが多い。
これはいわゆる行間というやつで、
「(この状況で)この構成にしたら強かった」
というのが本質である。
じゃあどうやって構成を決めればいいんだよ、という疑問がとうぜんあるだろう。
ここが今回の本題なのであるが、
「どこまで決めてどこまで流動的にするのか」
ということについて考えていく。
TFTにおける判断基準というのは大きく分けて三つある。
- アイテム
- チャンピオン
- シナジー
順を追って説明する。
まずアイテムはこのゲームで数少ない能動的に選択することができる要素である。
とはいえ、すべて予定通りに進まないのがTFTである。ある程度操作できるものの、手元のアイテムを効率的に利用できるチャンピオンを選ぶことになる。
チャンピオンを決めるというのは、主に特定のユニットを重ねてレベルを上げ、アイテムを集中させるという意味である。
それぞれに得意不得意があり、何も持たせなくともフロントラインで行動阻害スキルを撃つことで役割を果たせる者もいれば、遠くからどれだけ多く攻撃することができるかが重要な者もいる。
特に後者はそのためのアイテムが必要である(あるとより活躍できる)ことが多い。
そして最後にシナジーである。チャンピオンごとに持ち合わせているシナジーを発揮させることで、さらにその能力を加速させることができる。
つまり、
「この構成が強い」
というのは、実は最後に決めていることが多い。
「ヴェインがレベル3になったし、ノーブルかレンジャーだな」
「ブランド引いたしエレメンタリストとデーモンと……」
とかだいたいそんな感じである。
そして、この演繹法的な発想と逆行するのが帰納法的なアイテム選択である。
遠距離から火力を出す手段というのは少し考えればわかるようになっているので、そのためのアイテムを集めれば良い。
少しアイテムについて考察してみる。
- リカーブボウ
TFTにおいて最強のステータスはASである。
単純に攻撃回数が増えるとダメージが増えるし、マナが溜まるのでスキルも撃ちやすい。
派生アイテムも優秀で、ASをさらに増やすグインソー。射程を伸ばし固定砲台になれるRFC。殴り合いに強いPDなど。範囲攻撃ができるタイタンハイドラも悪くはない。
単体で強いので、優先度は高い。どの構成にも必要なアイテムである。 - BFソード
構成によっては持て余すものの、ショウジンのマナ効率上昇によるスキル回転率は多くの者に恩恵をもたらす。
血剣の生存能力向上も強く、アサシンならIEの有無が勝負を分けることもある。GAも強力だ。血剣の代わりにガンブレードにするという選択肢もある。
ASに依存しない構成と相性が良い。 - ラージロッド
何の条件もないと選びにくいが、何らかの素材になることが多い。
ただ、スキルで火力を出していく場合はかなり重要。ある意味リカーブボウと正反対の性能。
スキルに依存する構成と相性が良い。 - 涙
ひとつは確保しておきたいアイテム。
ゲームの性質上、マナがあってスキルがあるタイプなら大変重宝する。
スキルをスパムするならショウジンやセラフ、フロントラインにフロハなど、用途が役割を問わない。
優先度高め。スキルを使わない構成は少ないので、ほとんどの場合必要になる。 - チェインベスト
防具のなかでは優秀な部類。
ASと合わせてPD、涙と合わせてフロハ、BFと合わせてGAなど、合成したときに使えないということがほぼない。
決定的な効果は得られないが、手に入ったときの組み合わせを考える程度にはなる。 - ネガトロン
対ソーサラー最終兵器。
とにもかくにもドラゴンクロウは強い。スキルをほぼ無効化できるため、場合によってキャリーに持たせる必要が生じる。
また、フロントラインが薄い構成にとってゼファーは有用。血剣も近距離キャリーの場合は必要になることもある。
どちらかというと後で必要になる場合のあるアイテム。状況次第では勝敗を分ける。 - ジャイアントベルト
率直に言って使い道に困るアイテム。
おそらく一番マシなのがゼファーだが、構成によっては邪魔にすらなる。
タイタンハイドラも強いが、それはジャイアントベルト派生として強いという意味で、リカーブボウ派生として見れば次善策である。
赤バフは使い手が限られてくるので、とりあえずフロントラインに持たせておくためにワーモグかリデンプションにする、というこれもまた次善策。
今のところ、チェインベストの劣化品であると考える。 - へら
使い方でゲームを変える強力なアイテム。特性付与は、ナイトこそ微妙なものの、それ以外はキャリーの性能を高めるものばかり。
もちろんユニット枠を拡張しても良い。
ただ単体では何の価値もなく、見通しの立たない状態で手に入れても使いこなせないことが多い。
アサシン、グレイシャル、デーモン、ブレードマスターの恩恵を受けることができることと、ソーサラーの一助になることは頭に入れておいて良いかもしれない。
これらの考え方というのは、アイテムの優先度や、偶然に左右されるドロップから構成を考えるときに使う。
武器がたくさんあるならレンジキャリーを念頭に置けば良いし、防具があるならメレ―キャリー構成を考えれば良い。
そうした、
「じゃあどのチャンピオンが強いわけ?」
というのが次の話になる。
構成を決める前に考えなくてはならないのが、手持ちとの相談である。
この手持ちについてであるが、初動では中途半端なシナジーよりレベルの高いユニットのほうが強い。
たとえば、かなり評価の低いモルデ、フィオラ、トリスがレベル2になっているほうが、ノーブルシナジー3体より強い。
ようするに重ねることが何より大事なのである。そうしているうちに自然とシナジーが発生して、アイテムと相談しながら構成が定まっていく。
つまり、最初から高コストユニットを前提にするべきではない。
代表的なものがノーブルである。ケイルが来なかったらどうするのか。それで運ゲーと嘆くのはあなたの勝手だが、決め打ちすれば当たり前にそうなる。
(個人的にはケイルよりレオナが来ない気がする)
であるので、序盤のユニットからの組み立てについてチャンピオンごとに触れていく。
- カサディン
言わずと知れた……かわからないが、最強の1コスである。
ヴォイド・ソーサラーといずれも構成の核になる。よほど被っていない限りは握って置いて損はないだろう。
単体としての性能も高く、レベル3になって装備をすべて注げばキャリーにすらなり得る。
握っておくだけで他人の邪魔をできるので、仮にそれらのプランがなかったとしても、拾っておいていいだろう。 - カ=ジックス
単体性能がそこそこ高い。重なっているなら、相手の構成が揃うまではそれなりに活躍する。
なんとなく重ね続けるには少し問題があるが、ヴォイドアサシンの軸になるので、カサディンもいるのなら狙う理由になる。 - ダリウス
とりあえずのフロントラインとしてとても優秀。ナイトシナジーは序盤の鉄板であり、インペリアルにも派生できることから抱えておいて損はない。
構成の幅を広げてくれる上に、なによりクルーグラウンドでやたら強い。 - ガレン
ナイトシナジーのツートップ。
単体でタンクとして機能するので、最後まで腐らない。
序盤でノーブルを重ねればかなり強いので、序盤最強構成の一角ではある。
終盤は少し辛いが、それでもナイトシナジーが期待できるので、パワーは高いだろう。 - ワーウィック
ワイルドシナジーのついでにそこそこ硬い。
ワイルドシナジーさえあるなら安定した性能を期待できるので、ワイルドシナジーさえあれば…… - ニダリー
ナーのお供と認識されがちだが、ニダリーに関しては単体性能もそれなりに高い。
最悪ワイルドがなかったとしても、シェイプシフターの一員としては優秀な部類なので、一考に値する。 - ヴェイン
実は扱いに困る部類である。
レンジャーやノーブルになったとき、特にノーブルの場合はまさにキャリーポジションなのだが、そんな先のことを見据えて重ねる余裕はあまりない。
レンジャーなら後半重なる連中を重ねたほうが楽なので、あまりヴェインに囚われすぎないほうが良い。
序盤のノーブルは強いが、最後までノーブルかどうかはわからないのである。 - グレイブス
ガンスリンガーとして優秀であり、パイレーツに不可欠な存在。なのだが、レベル3でもない限り後半はMFと入れ替えたほうがいいだろう。フロントラインとしては少し厳しい。どちらかというとメレ―キャリーである。
パイレーツのパーツとしては一番安いので、早期にGPを拾い、人気のあるパイクもいるのであれば、後から重ねても遅くはない。
最初から重なった場合、別にパイレーツじゃなくてもいいということを忘れないでおきたい。 - トリスターナ
選びたくない1コストップ3。
ガンスリンガーを狙わない限りかなり微妙。特に通常攻撃がスキルで潰れるのがかなり微妙。スキルダメージも遅効性なため、その差で負けることもある。
一応、ガンスリンガーの特性を最も有効利用できる存在ではある。
シナジーにあまり期待できないため、繋ぎとして使う場合はそのことを忘れずにおこう。 - モルデカイザー
選びたくない1コストップ3。
決して弱くはない。ナイトシナジーがあるし、ファントムを狙う上では現実的である。
しかしスキルが塩。タンクとして特別硬いわけでもない。
一応そういう都合から重なりやすいので、無理に回るツートップを狙わずとも良い、という皮肉なメリットがある。 - フィオラ
絶対選びたくない1コス。
ノーブル6を発動させるために必要、というのが一番の目的である。
序盤のノーブルは、フィオラを入れるくらいならルシアンを狙ったほうがなんぼかマシだろう。
いないよりマシなので重ねやすいメリットや、最速でブレードマスターを発動させるのに使ってもいい、というかおそらくこれが一番マシな理由だろう。序盤にブレードマスターがあったからといってどうなるものでもないが。 - エリス*1
2コスだったから弱かったのであって、1コスならまだ使いようはあると思っている。
ナーは偶然中盤に拾えたりするし、デーモンかシェイプシフターのどちらかにシフトできると考えれば悪くはないだろうと思う。
こうした序盤の流れから、さらに他プレイヤーの盤面を見て、組みやすい構成を探していくのである。たまたま高コストで軸になるチャンピオンが出てきた、という場合でも良い。
そうした、自分の持ちうる運の要素と確率の高い可能性を考えて、構成ができあがっていく。
そうして、最後に考えるのがシナジーとキャリーである。
まず前提として、強いシナジーというのが存在する。
ソーサラー、グレイシャル、インペリアル、ワイルドである。
それ以外は弱いのかというとそういうわけではない。
ではなぜ上記のシナジーが強いとされているのか、というと、
「その特性を持っている強いチャンピオンがいるから」
である。
たとえば、ソーサラーはオレリオンソル、カーサス、カサディンなどが挙げられる。そもそもソーサラー持ちはだいたい強いが、それでも突出して強い。
グレイシャルにはアッシュやセジュアニ。インペリアルはドレイヴン。ワイルドはナー。
いずれも、シナジーを揃えて装備をぶち込めば強い。
また、シナジーを重ねやすいから強いパターンも存在する。
上記に加え、シェイプシフター、レンジャー、アサシン、ヴォイドである。
単体ではなく、複数のシナジーを発生させてはじめて構成と呼ばれる。
「ワイルドシェイプシフタードラゴンソーサラー」や「ワイルドシェイプシフターデーモンインペリアルソーサラー」などなど。
まあなんでもいいのだが、これらの構成が強いと言われる理由もまた、強いチャンピオンが軸になっているからである。
発想の転換として、強いチャンピオンに後からシナジーを重ねる、という手段がある。
わかりやすいのはブランドだろうか。とりあえずブランドに全ツッパして、とりあえずエレメンタリストを発動させ、グレイシャルなりデーモンなりソーサラーなり好きなようにくっつける。
適当に書いたらめちゃくちゃに長くなってしまったので、最後は雑にまとめておく。
つまり、
「リカーブボウとラージロッドを集めて、あとついでにショウジンも作っといて、序盤は重ねることを優先して適当に重ねて、なんかそれっぽくなるようにしつつやばくなったら全ツッパ」
でだいたい勝てます。
上手く重なったらソーサラーかグレイシャルレンジャーです。
上手く重ならなかったらブランドになんとかしてもらいます。
何かの間違いでアサシンやパイレーツになってしまった場合、面倒ですが楽しいので良しとしましょう。勝てませんが負けません。
ノーブルも似たようなもんですが、揃ったときの楽しさは何物にも代え難いので、TFTの楽しさはノーブルに詰まっています。ソーサラーが最強だからといってみんなで取り合いするより、マイペースにノーブルを目指すほうが楽しいです。
ぼくからは以上です。
*1:9.14で1コス予定ということで